スポーツ業界外でのセカンドキャリアとは?アスリートが目指すべき職種
競技生活が一区切りを迎えるタイミングで、多くのアスリートが「セカンドキャリア」について考え始めます。しかし、セカンドキャリア形成を図る際に、どのような職種が適しているのでしょうか?本記事では、アスリートのキャリアのオプションについて理解を深め、どのような職種に向いているのかをご紹介します。
キャリア選択における課題
アスリートのキャリア選択には特有の課題があります。競技生活を送る中で培ったスキルや経験がビジネスの世界でどのように活かされるのか、不安に感じる方も少なくありません。この不安を解消するためには、まず自己分析を丁寧に行い、キャリアに対する適性や興味を把握することが重要です。自己分析を通じて、自分の強みや興味のある分野を明確にすることは、キャリア転換の第一歩です。
私たちスポクトエージェントが自己分析を重視する理由は、アスリートが「アスリートキャリアの延長線としてのビジネスキャリア」を築き、納得感のある意思決定を実現できるようサポートするためです。競技生活での経験を新たなフィールドで活かすために、自分自身と向き合うことが大切です。
職種選択の考え方
自己分析を通じて「自分の強みは何か」や「どのような職種で働きたいか」を明確にすることは重要です。しかし、それと同時に「どの職種で自分が求められているのか」という視点を持つことも欠かせません。アスリートが持つスキルや資質と、企業が求める要素が一致することで、ビジネスキャリアでの成功がより現実的なものとなるからです。
企業がアスリートに求めるスキルや適性を理解することは、自分に合った職種を選ぶうえでの大きな手がかりとなります。以下では、企業がアスリートのスキルをどのように評価し、どの職種で活かせると考えているのかをご紹介します。
企業からのアスリートへの捉え方
文部科学省の調査によれば、企業がアスリートのスキルを活かせると考える部門のトップ3は、「営業・販売」「広報」「総務・人事」とされています。一方で、システム開発や研究開発といった専門性の高い職種では、アスリートが即戦力として期待されることは少ないようです。
出典:文部科学省「アスリートのキャリアに関する実態調査 結果まとめ」2020年
では、これらのトップ3の職種がなぜアスリートに向いているのか。その理由を以下で詳しく解説します。
第1位:営業・販売職
営業職は、アスリートに最も適している職種の一つです。アスリート特有の「目標達成意識」や「コミュニケーション能力」が存分に活かされる場面が多く、自らの努力が売上という具体的な成果に直結しやすい点が大きな魅力です。また、営業職では顧客や市場の最前線で直接やり取りを行うため、顧客のニーズや市場の動向に対する深い理解を得ることができます。
さらに、「現場を知ること」は今後のキャリア形成においても大きな武器となります。多くの企業では、現場経験を積んだ人材が商品企画や経営企画といった企業の中枢へ進む流れが一般的です。営業職で培った「現場感覚」や「顧客理解」は、企画・戦略部門においても非常に高く評価されるスキルです。このように、営業職で得られる経験は、短期的な成果だけでなく、長期的なキャリアアップにもつながる可能性を秘めています。
第2位:広報
広報職は、アスリートとしての経験を活かせる職種の一つです。広報の業務では、メディアや社外関係者とのコミュニケーション能力が求められる場面が多く、競技生活を通じて培った対外的なスキルが大いに役立ちます。
例えば、アスリート時代にサポーターへのメッセージを発信したり、SNSを通じてファンと交流した経験、スポンサーとの信頼関係を築いた経験などは、広報活動に直結するスキルです。これらの経験は、企業のメッセージを効果的に広めたり、社外関係者との良好な関係を築いたりする際に、大きな強みとなります。
さらに、企業が発信するメッセージがどのように受け止められるかを的確に把握する力も重要です。競技生活で得た「受け手の視点を考えるスキル」や「ターゲットの共感を引き出す方法論」は、広報活動の質を高めるうえで非常に有益です。このように、広報職はアスリートの経験が十分に活かせる魅力的な選択肢といえるでしょう。
第3位:総務・人事
総務や人事の部門でも、アスリートが培ってきたスキルは大いに役立ちます。総務や人事は、会社全体をサポートし、従業員の働きやすい環境を整える役割を担っています。アスリートの持つ「チームワーク力」や「リーダーシップ」は、職場環境の改善や人材育成において重要な要素です。
アスリートは、目標達成に向けて仲間と協力する経験を持っているため、組織内でのコミュニケーションや調整力が求められる総務・人事の業務においても成果を上げやすいです。また、人事部門では従業員の育成やモチベーション管理が求められるため、アスリートとしての経験が自然と役立ちます。
まとめ
アスリートのセカンドキャリアとして、営業・広報・総務人事といった職種は非常に適しています。これらの職種では、競技生活で培った「目標達成力」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」といったスキルを最大限に活かすことができ、企業にとっても価値の高い人材としての活躍が期待されます。
ビジネス経験が少ないと感じる方でも、自己分析や準備をしっかり行うことで、ご自身の持つ強みを最大限に活かした転職が可能です。キャリアチェンジに挑戦するアスリートの方々にとって、ビジネスキャリアの道もまた新しい挑戦の舞台です。自分に適した職種を見極め、新たなステージでの活躍を目指しましょう。